誠-巡る時、幕末の鐘-
「あはは〜、あはは〜」
「だからどこ行くの??」
どさくさに紛れて再び脱走を企てていた奏だったが、両肩をしっかり掴まれた。
背後には、神々しい笑みを浮かべる元老院第五課長、レオンがいる。
「………幻覚と幻聴が」
「何言ってるの??頭おかしくなった??あぁ、元からだったね」
「元からって……」
うう………。
神様、私に何の恨みがおありなんでしょうか??
罰はどうか土方さんと沖田さんに。
奏は遠い目になり、黄昏ている。
ちゃっかり土方と沖田に押しつける強かさは健在だ。
だが、魔王にはそんなことは関係ない。
「帰りが遅かったんじゃない??門限は決まってるんでしょ??」
「あ、あぁ」
レオンは土方の方をちらりと見た。