誠-巡る時、幕末の鐘-
(響がうつむいて震えているだろうが!!
なぁ、ひび……)
奏が響の肩を握ろうとした時……。
ガバッ!!
(………え?)
「皆さんは鬼なんかじゃありません!!」
そこには珍しく怒った響の顔があった。
まだたった一日しか一緒にいないけども。
「……じゃあ響の思っている鬼ってどんなの?」
「えっと…角を生やしてて牙があって金棒持ってて…」
「あぁ、分かった分かった。典型的な昔話の鬼ね」
クス
「だそうだよ、星々。俺は金棒なんて重いもの持ちたくないし、角も牙も邪魔だよなぁ。…何より主の前に出られない」
「でも刀も金棒も同じ武器ですよ?」
(そうきたか。
見た目的な問題だな。
刀は軽いし、この刀の切れ味はなかなかのもんだぞ?)