誠-巡る時、幕末の鐘-
「んだとてめぇ!!」
ドサッ!!
「あ………」
『…………あ〜あ』
喧嘩していたらしい男が、もう一人の男に投げ飛ばされた。
その投げ飛ばされた先が悪かった。
丁度、甘味屋の店先に置いてあった椅子の所に飛んできたのだ。
つまり、奏が食べていた団子などが地面に………という状況に。
「てめぇ!!よくもやったな!?」
男は立ち上がり、また喧嘩をふっかけに行こうとした。
あくまでも、行こうとしただ。
実際には行けるはずもなく。
ガシッ!!
「どこに逃げるつもりだぁ??あぁ??」
「何すんだよ!!離しやがれ!!」
奏は男の胸ぐらを掴んでいた。
「何すんだよだって??……ほう、自分がしたことも分からんか。…私の甘味を……この間の奴の分まで思い知らせてやろうか??」
今の奏の顔……般若の面のようになってしまっている。