誠-巡る時、幕末の鐘-



「んだとてめぇ!!」




ドサッ!!




「あ………」


『…………あ〜あ』




喧嘩していたらしい男が、もう一人の男に投げ飛ばされた。


その投げ飛ばされた先が悪かった。


丁度、甘味屋の店先に置いてあった椅子の所に飛んできたのだ。


つまり、奏が食べていた団子などが地面に………という状況に。




「てめぇ!!よくもやったな!?」




男は立ち上がり、また喧嘩をふっかけに行こうとした。


あくまでも、行こうとしただ。


実際には行けるはずもなく。




ガシッ!!




「どこに逃げるつもりだぁ??あぁ??」


「何すんだよ!!離しやがれ!!」




奏は男の胸ぐらを掴んでいた。




「何すんだよだって??……ほう、自分がしたことも分からんか。…私の甘味を……この間の奴の分まで思い知らせてやろうか??」




今の奏の顔……般若の面のようになってしまっている。



< 688 / 972 >

この作品をシェア

pagetop