誠-巡る時、幕末の鐘-



「ちえっ。…行くぜ??」




藤堂は軽く舌打ちした後、隊士達に声をかけた。


隊士達は男二人を捕縛していた。


一応念のために、長州の者であるかどうか確かめるために屯所へ連れて帰らなければいけないのだ。




「じゃあ、俺達は先に戻っとくからな」


「お仕事お疲れ様」


「おうっ!!」




奏が藤堂に声をかけた。


藤堂はそれに片手を振って返しながら、屯所へ戻っていった。




「あなた……やっぱり昨日の方ね??昨日の奴と言っていらしたし、何だか口調も似ているわ??」




ばれた。




奏は最後の一口を口に入れようとする体勢で固まった。


ギギッと音がしそうな首をお婆さんの方へ向ける。




「………色々と事情がありまして」




ばれたものは仕方ない。


開き直った奏だった。



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