誠-巡る時、幕末の鐘-
「詰め終わりましたよ。奥様、これでいかがです??」
「えぇ、いいわ。ありがとうございます」
「お祖母様、私がお代を」
お婆さんの代わりに忠興がお金を払った。
「はい、どうぞ」
「ありがとうございます!!」
「ここの甘味は本当に美味しかったわ。また私もちょくちょく来ようかしら」
「おおきに」
お婆さんが女将に言った。
女将も自分の店の甘味を気に入ってもらって嬉しそうだ。
「さて、そろそろ帰りましょうか」
「そうだね。甘味も食べられたことだし」
「邪魔だったけどね」
奏が立ち上がり、沖田と珠樹もそれに続いた。
二人が言い合うのはもう慣れた。
「じゃあまた来ますね!!それじゃあ、失礼します」
店の奥に行った女将に声をかけ、お婆さんと忠興にも軽く会釈をした。