誠-巡る時、幕末の鐘-



「どんなのです??」




奏は甘味の包み紙を開けながら尋ねた。




「例えばこんなのは??土方さんがもっと句を作るのがうまくなるのはどれですかっと。これかぁ〜」




これは土方さんにあげようっと、と横に置いた。


何気に一番酷い。


悪意を隠そうとして、疑問形にしてる所がなお酷い。




「僕はこれ」




結局自分のはさっさと決めた沖田。


その時、奏の部屋に今までなかった人影が出没した。




「何か用ですか??」




奏はいかにも面倒臭そうに、かつ嫌そうに現れた人影を見た。




「随分な口の聞き方だな??」


「すみませんね。生憎今は主がこの場にいないもので。……貴様に対して払う敬意などはない」




奏は冷めた視線を壁に寄りかかって腕を組む男…冥官である篁に向けた。



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