誠-巡る時、幕末の鐘-
「知らないよ、そんなの。自分で探したら??」
「もうとっくにやっている。だが見つからないからここへ来たんだ」
『へぇ』
レオン、奏、千早の瞳が輝いた。
まさに悪巧みしているような、ではなく、悪巧みした表情だ。
「聞きましたか、千早さん」
「あぁ、しかと聞きましたよ、奏さん」
「君達、それは気持ち悪いからやめて」
「はい」
千早と二人ふざけ合っていたら、レオンから冷たい視線が向けられた。
「何を考えているかは知らんが、お前達には頼もうなどと端から思ってはない。そこのお前だ」
「…………え??私ですか??」
篁が顎で指したのは響だった。
まさか自分が指名されるとは露も思わない響は、レオンの腕に抱かれた少女に興味を持っていた時だった。