誠-巡る時、幕末の鐘-
ヤバい。
ものっ凄い気になる。
「別にただで働けという訳ではない。お前、母親に会いたくはないか??」
「え??」
それまで拒否していた響が動きを止めた。
心を揺さ振られる内容だ。
「輝耀に会えるの??」
「少しの間ならば。今年の彼岸には会えなかったと言っていたからな」
「母様に……会える」
「珠樹」
「うん」
「その仕事、私達が引き受ける。対価は輝耀に会わせること。いいわね??」
「あぁ。別に構わん」
「わ、私もやります!!」
響が珍しく自己主張した。
「私も母様に会いたいです。それに、私も何か役に立つことをしたいんです」
「響……。うん、じゃあ、頑張ろう」
奏は響の意志を尊重した。