誠-巡る時、幕末の鐘-
「たかむら、うしさんとうまさんは??」
「今日は連れて来ていない。悪いな」
澪ちゃんが篁に駆け寄った。
篁は期待に満ちた澪ちゃんの頭を優しく撫でた。
澪ちゃんに対しては、天上天下唯我独尊傍若無人ぶりも発揮されないのよね。
それにしても、うしさんにうまさん??
誰だ、それ??
「澪ちゃん。僕は沖田総司。よろしくね」
沖田がさっそく子供好きの頭角を現した。
澪ちゃんはさっと隠れてしまった。
だが、そろーりと顔を出している。
顔見知りをするようになったが、気にはなるようだ。
「澪ちゃん。僕は珠樹。こっちにおいで。お菓子があるよ??」
「ほんとう??」
やはり小さな女の子は甘いものが好きらしい。
食いついた。