誠-巡る時、幕末の鐘-
「ほら、こっちにおいで」
沖田が横に座るように促した。
澪ちゃんは迷いながらもとことこと歩いてきた。
「どれが食べたい??」
「んと、これ」
「はい、どーぞ」
「ありがとうございます」
他の言葉は舌足らずながらも、挨拶だけはしっかりしているのは指導の賜物だ。
「おねえちゃん、いっしょにたべよ」
「え、あ、うん!!」
響がまだ一口も食べていないのに気づき、手渡した。
「あ、そうだ!!まだ名前を言ってなかったね。私、音無響っていうの。よろしくね」
「ひびきおねーちゃん??」
「そう。響でいいよ」
「分かった」
和やか〜な雰囲気が流れている。
この二人の間だけは。