誠-巡る時、幕末の鐘-



「かなで、おこるの、だめ。みおが、きたい、いったの」




澪ちゃんがナルが叱られているのを見て、奏の腕を取った。


目はとても悲しそうだ。




「怒ってませんよ」


「怒ってたじゃないですか」


「お黙り」


「あうっ」




ナルの膝をつねって黙らせた。




「なかよし??」


「えぇ。仲良しよ??」


「よかった」




澪ちゃんはほっとしたのか、ニッコリと笑って響の元に戻った。




「我慢、我慢よ。奏。あなたならできるわ」


「何を我慢するんです??」


「どっかのとんちんかんな発言をする奴を殴りたい衝動よ」


「暴力はいけませんね。是非我慢してください」




奏の中で、何かが十本は切れた。


あと、何本残っているだろうか。


忍耐の試し所だ。



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