誠-巡る時、幕末の鐘-



一方……。




「あのさぁ、本当に君邪魔なんだけど」


「奇遇だね、僕も君に対して同じことをいつも考えてるよ」




珠樹が口火を切り、一触即発の空気が流れだした。


奏はナルの尋問中なので聞こえてはいない。




「君さ、なんなわけ??たかが人間風情が」


「その人間風情に奏ちゃんを取られそうで焦ってるのは誰??」


「焦ってる??そんな訳ないでしょ??だってどうせあと百年も待てば君達みんないないんだから」


「その間に誰か、心を奪う奴がいてもおかしくないよね??いなくなっても奏ちゃんの一番はその人かもしれないよ??」


「………」




今回の勝負、沖田の勝利!!


沖田はニコリと意地の悪い笑みを浮かべた。


珠樹はそっと奏を見たが、ナルと話しこんでいて気づかない。


それをレオンや千早が興味深そうに見ていた。



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