誠-巡る時、幕末の鐘-



大広間に響が作った夕食が運ばれてきた。




「おぉ〜!!今日もうまそうだな」


「いっただっきま〜す!!」




みんな競うようにして食べ始めた。




「そういえばレオン様の用ってこれだったんですか??」




奏が澪ちゃんにご飯を食べさせながら尋ねた。




「違うよ。捜し物をしに来たんだ」


「へぇ。レオン様でもすぐに見つからないものがあるんですね」




奏は味噌汁に息を吹きかけ熱を冷ました。


甲斐甲斐しい世話の焼き方だ。




「僕の宝物庫から鬼切と羅針盤が盗まれたんだ」




この発言をレオン自らの口から聞くまでは。




「何ですと??」


「だから盗まれたんだよ。誰かに」




奏はばっとナルの方を見た。


ナルも苦笑気味に頷いた。



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