誠-巡る時、幕末の鐘-



「今日は……」




響が選んでいると、道の方で騒ぎが起きた。


見ると、男の子が男二人組に絡まれていた。


男の子は今にも泣きそうになっている。




「やめて下さい!!大の大人が子供に手を出すなんて」




響は思わず間に入った。


男の子は響の着物の裾をしっかりと握り締めた。


その手はまだ微かに震えている。




「こんなに震えて可哀相に」


「あぁ??姉ちゃんには関係ねぇだろ??」


「とっとと引っ込んでな」




男が響の方に手を伸ばし、乱暴に押し退けようとした。


その時……。




「おいおい、その手をどけろよ」




別の男の声が響いた。



< 722 / 972 >

この作品をシェア

pagetop