誠-巡る時、幕末の鐘-
「今日は……」
響が選んでいると、道の方で騒ぎが起きた。
見ると、男の子が男二人組に絡まれていた。
男の子は今にも泣きそうになっている。
「やめて下さい!!大の大人が子供に手を出すなんて」
響は思わず間に入った。
男の子は響の着物の裾をしっかりと握り締めた。
その手はまだ微かに震えている。
「こんなに震えて可哀相に」
「あぁ??姉ちゃんには関係ねぇだろ??」
「とっとと引っ込んでな」
男が響の方に手を伸ばし、乱暴に押し退けようとした。
その時……。
「おいおい、その手をどけろよ」
別の男の声が響いた。