誠-巡る時、幕末の鐘-
その頃奏は……
「うぁ〜。何故見つからん!!」
雑鬼達に色々聞き回ったが、まったく収穫なしだ。
珍しいことに、みんな知らないと首を横に振るのだ。
「あぁ〜!!くそっ!!楽勝だと思っていたのに……。こうなりゃ、澪ちゃんに頼むか??」
奏はあれやこれやと思案していた。
「もしかして、奏さんじゃありませんか??」
後ろから声がかけられた。
振り向くと、そこにいたのは仕事帰りらしい、忠興の姿があった。
「こんにちは。お仕事お疲れ様です」
「あなたも今日はお忙しそうですね。では今度にしようかな??」
忠興はニコリと微笑んだ。
「何をです??今度って」
「珍しいお菓子が手に入ったもので。今度うちに招待しようかなと」
奏はその言葉に瞳を輝かせた。