誠-巡る時、幕末の鐘-
仏の顔が三度は嘘だね
―――屯所
「よっ。邪魔してるぜ」
「……何で鈴がここにいるの??」
奏が屯所に戻ってきた時、広間には澪ちゃんと遊ぶ鈴の姿があった。
「かなで、みて??これ、みて??」
「何です??……綺麗に書けましたね。後でミエ様にも見せて差し上げたらいかがです??」
「うん!!」
澪ちゃんが持ってきた半紙を見ると、何やら文字がいっぱい書いてあった。
奏が褒めると、満面の笑みを浮かべて広間を出ていった。
とし〜、と呼ぶ声が聞こえてきたので、土方の所へ行ったのだろう。
「で??何でいるの??」
「ちょっと暇潰しに」
鈴は今まで相手をしていた澪ちゃんがいなくなったので、手持ちぶさたになり、ごろんと横になった。
ここは休憩所か。
寝るなら家帰れよな。