誠-巡る時、幕末の鐘-
「なになに??………ぶはっ!!」
鈴は流し見て、吹き出した。
ひーひー言っている。
「すず、はやくよんで??」
「ま、待て。ちょっ、待って!!」
澪ちゃんは鈴の袖を引っ張り、せがんだ。
しかし、鈴は今、涙目でそれどころじゃない。
さて、何というか。
明らかに悪影響を与えかねん。
これは。
それだけは何としても阻止せねば。
「澪ちゃん、それ、土方さんのだから読んでいいかきちんと聞いてからにしましょうね??」
「分かった!!」
澪ちゃんは鈴が投げ出した冊子を持ち、再び土方の部屋へ走っていった。
鈴はまだ笑いが止まらないらしい。
しばらくして、土方の部屋から、沖田の名前を叫ぶ土方の声が屯所中に響いた。