誠-巡る時、幕末の鐘-



「………っ!!」




奏は鈴が腹を抱えて笑っているのを半眼で見ていた。


しかし、ある気配を感じ、目を大きく見開いた。


そして、まさに電光石火のごとく縁側の下にもぐっていった。




「何をやっているの??」




レオン様のご帰宅です☆


後ろには、ナルもくっついてきている。




「…まぁ、いいや。刀貸してくれない??」




レオンは右手を鈴の前に突き出した。


何をする気なのか。




「…何に使うんだ??」




鈴も訝しげに眉をひそめた。




「あぁ。おめぇら、帰ってたのか。ほら、こいつらに遊んでもらえ」


「はーい」




澪ちゃんが土方に抱っこされて広間に戻ってきた。


すっかり懐いている。


今のお気に入りの遊び相手は土方らしい。


土方は子供の扱い方が上手い。


でっかい子供を二人、日々世話しているからだろう。


誰とは言わないが。



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