誠-巡る時、幕末の鐘-



「そうなの??澪ちゃん、読みたかったのにねぇ。意地悪するなんて酷いね」


「んだとぉっ!!?」




沖田がよしよしと澪ちゃんの頭を撫でた。


土方は完全に悪者になっている。




「ねぇ、早く」




レオンが再び鈴を促した。




「ちゃんと返せよ??」




鈴は渋々レオンに刀を渡した。




「ありがとう。沖田君、そのまま澪ちゃん抱っこしててね??」


「??分かったよ」




ドスッ!!




沖田が澪ちゃんを抱き上げたのを確認すると、レオンは刀を垂直に床に突き刺した。




「俺の刀ーっ!!」


「おい、おめぇ!!屯所を壊すな!!」




慌てたのは周りにいた人間と鬼一人だ。


だが、当の本人は淡々としていらっしゃる。


そして、もう一人。


冷や汗をだらだらかいている鬼がいた。



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