誠-巡る時、幕末の鐘-



「何だ??何だ??」


「ん??鈴じゃねぇか」


「面白いことでもやってんの??って何で穴開いてんの??」




永倉、原田、藤堂が広間に入ってきた。


もうすぐ夕食時だからだろう。


それと同時に奏の選択も迫られていた。




「で??奏は手伝ってくれるんだよね??」




澪ちゃんがいるからこそこの台詞のみだ。


もし、いなかったならば…。


きっと聞くに堪えない言葉がポンポンと調子よく出されていたことだろう。




「別にいいんだよ??僕には鬼切なんてただの刀と同じなんだから。でも奏はそう言う訳にはいかないよね??守らなきゃいけないでしょ??」




レオンが台所の方にちらりと目をやった。


今、台所には響がいる。


響もまた鬼だ。


つまり……。



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