誠-巡る時、幕末の鐘-



……土方だ。




「俺はそんな事一言も言ってねぇーっ!!!」




(うるさいなぁ。隊士が脅えてんぞ。

俺だって聞いてねぇ〜よ。

言ってもないことは聞けないだろ?

それに……)




奏はニヤリと笑った。




「もう無理ですよ。局長命令は絶対でしょう?」


「……あぁぁっ!! くそっ!!」


「ト、トシ。何か早まったことをしてしまった感じが…」




土方は頭を抱え、近藤は冷や汗をかいていた。




「さて。皆さんに一言挨拶をしたいと思います。その前に目を瞑(ツム)ってください。瞑らなくても結構ですが、どうなっても知りませんよ?」




みんな素直に目を瞑った。


何故かというと、奏の目が本気だったからだ。



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