誠-巡る時、幕末の鐘-
「ま、取り返すんだからいいじゃない。このままにしておくなんて言ってないんだし」
レオンは持参した最高級の玉露で響にお茶を入れてもらっていた。
元老院で一番紅茶やら何やらを消費しているのは間違いなく彼だろう。
「ね、ちはや、どこ??」
澪ちゃんが広間を見回して言った。
「そういえば見てねぇな」
「部屋で寝てるんじゃない??」
「何だ??」
襖を開け、話題の人物が入ってきた。
姿形は子供のなりだが、言葉使いは神のそれだ。
「ちはや、いっしょにおるすばんしよ??」
「天照の後継の願いなら聞き届けなければな」
「ほんとう??わーい!!」
一緒に残ることを確かめたので、澪ちゃんの顔は嬉しさにほころんでいる。
まさに花を散らしたようだ。