誠-巡る時、幕末の鐘-



「と、取ってきました。あと、ついでにこれ」




鷹が疲労困憊というように広間に入ってきた。


入ってくるなりバタンと倒れた。


顔面から。


倒れながらもレオンに伸ばされた手には、許可証と、あと一つ。


丁寧に畳まれた文だ。




「お疲れ様」




レオンは鷹に労いの言葉をそこそこに、文を開き、目を通した。


次第に細められていく目。


その瞳の奥はひどく凍てついていた。




「レ、レオン様??どうしたんですか??」


「ほら、見てみなよ」




そのまま、文を渡された。


みんなも周りに寄ってきた。


そこには………




〈宝物は預かっている。三日後の丑三つ時、日本の京都に来られたし。うんぬんかんぬん…(以下略)〉




うわぁお!!


呼び出し状だよ、犯人から!!




その時、くっくっくと不穏な笑い声が響いた。



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