誠-巡る時、幕末の鐘-



「決まってるでしょ??この差出人に会いにだよ」


「でも三日後って」


「あのねぇ」




レオンは優雅な所作で扇を開き、奏を蔑むように見やった。




「三日後っていつから三日後??三日前に届いてたかもしれない。日本の京都??ここでしょ。問題ない」


「いや、場所はそうでしょうけど…って日本の京都でも漠然としすぎですけど、何より日にちは」


「来るよ、絶対にね」




嫌に確信めいている。




その“来る”と言う言葉のくとるの間に入れなきゃいけない二文字がある気がする。


使役の助動詞が。




「それにもし仮に三日後だったとしてホイホイ三日後まで待つの??…まったく相手は何様のつもりなんだか知らないけど……」


「ひっ!!」




レオンが浮かべた妖しい笑み。


それを見た奏は思わず悲鳴を上げてしまった。



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