誠-巡る時、幕末の鐘-



「ほら、行くよ」




レオンが奏に呼びかけた。




「分かりましたよ。寒そうだな〜」


「風邪ひかないようにしてね??澪ちゃんにうつったら大変だから」




じゃあ屯所で留守番させてくださいよ。


そしたら………




「奏。次、変なこと考えたら問答無用で潮のお菓子当分抜きね」


「なーにも考えてませんね」




レオン様に弱みを握られたことが私の最大の過ちだ。


神よ。



この世は何か間違っています。




「奏〜。お前丸腰で行くつもりか??」


「一応、刀持っていけよ」


「あ、うん。ありがとう」




奏は奏の部屋にも寄ったらしい永倉と原田から刀を受け取った。




「不法侵入だね」




側で見ていた珠樹が立ち上がりながら呟いた。




「奏もいつも土方さんのとこに声かけずに入ってんじゃんか」


「奏と彼は性別が違うでしょ??それにそもそも今それは関係ないし」




珠樹と永倉達の間に火花が散り始めた。



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