誠-巡る時、幕末の鐘-



―――壬生寺




「あ゙ぁぁぁーー。寒いよ゙ぉぉぉぉーーー」




奏は暑いのも嫌いだったが寒いのも嫌いだった。


いつもは桜花を抱いてぬくぬくとしているが、今はいない。


なので、ナルの背中にくっついている。




「奏、こっちにおいでよ」


「奏ちゃん、こっちの方が暖かいよ??」




珠樹と沖田が離そうとするが、奏はその場を動こうとしない。


それどころか、より一層くっつく。


ナルも困惑している。




「ちょっと、そんな遠くにいたら結界はれないでしょ??」




レオンはナルと奏の方をちらりと見た。


そう、奏が何故ナルにくっついたのかというと、一番レオンから離れていたから。


それだけだ。




「すみません。今行きます」




そうとは知らず、ナルは素直にレオンの側に行った。


当然くっついている奏も一緒だ。



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