誠-巡る時、幕末の鐘-
「さて、全員入ったよね??」
レオンが確認して、不可視の結界をはった。
「さて、あともう少しかな??」
「何がだ??」
「まぁ、見ててよ。三、二、一……」
レオンが数を数えると、次の瞬間、結界の中に一人の男が現れた。
土方と同じくらいの年だろうか。
しきりに首を周囲に回している。
「こ、ここは……」
哀れにも、まだ自分が置かれた状況を把握していないらしい。
幸せなことだと思う。
「やぁ」
「お、お前は!!」
どうやらやっと理解ができたらしい。
レオンの顔を見て、さっと顔を強ばらせた。
「三日後なんていつか分からないし、場所も曖昧だったから君を思わず呼んじゃったよ」
言葉の節々に異様な気配を漂わせている。
みんな何が始まるのかと唾を飲み込んだ。
奏とて、レオンの尋問を見るのは初めてだ。
できれば一生遠慮したかったが。