誠-巡る時、幕末の鐘-
「ここに呼ばれた理由は分かってると思うから、説明は省かせてもらうよ。さ、早く返して」
レオンは右手をすっと男の方に差し出した。
穏便だ、穏便すぎる。
いや、これくらいが普通なんだろうが。
……………ねぇ??
「す、素直に返すと思ったのか!?それとも素直に返せば見逃すとでも??」
男は最初こそどもっていたが、だんだんと威勢の良さを取り戻した。
「土方さん達……」
「なんだ??」
奏が原田の背の後ろからぼそっと呟いた。
それに気づいたみんなは奏に目を向けた。
「レオン様の本性をこれ以上知りたくなかったら、耳をふさいだほうがいいと思いますよ」
「本性って……」
「何か大体もう分かってきたっていうか……」
みんなはレオンの方に顔を向けた。
すると、レオンは驚いたように目を丸くしていた。
そして………。