誠-巡る時、幕末の鐘-
そしてニッコリと笑った。
「嫌だなぁ。まさか。僕が言いたいのは…素直に返せば苦しまずに楽に死なせてあげるってことだよ??」
『………………は??』
…………うん。
みんな唖然だね。
予想していた反応、どうもありがとう。
レオンは小首を傾げているが、まったく可愛いくない。
むしろおぞましい。
「……あ、あの。レオン様??それってセレイル様に任せることなく死刑決定ですか??」
セレイルは元老院で裁判を司る課の長だ。
罪を犯した妖は全て裁きを受ける権利がある。
…………はずなのだ。
「うん、そうだよ。……彼に同情してる??いい??」
レオンは優雅な笑みを浮かべ、愛用の扇で口元を隠した。