誠-巡る時、幕末の鐘-
「あの二人は土方さんに任せるとして」
「むーぅ!!」
問題はこの空気を読まない男だ。
ナルは若干涙目になって原田の腕をバシバシ叩いている。
「あ〜、悪ぃ。鼻まで押さえてた。…もう離すけどよ、お前空気読めるか??」
原田はナルに呆れたように言った。
すると、ナルはこくこくと首を縦に振った。
「ぷはぁー!!」
原田が手を離すとナルは勢いよく息を吸い込んだ。
まるで魚が餌を求めて口をパクパクしているみたいに。
「左之〜。お前どれだけ息止めさせてたんだよ」
「そんなつもりはなかったんだ」
「まぁ、とにかく「うぎゃぁぁぁっ!!!!」
『…………………』
どこかで夜の肝試しがあっているんだな。
余程お化け役の奴上手いらしいな。
あーんな悲鳴が。
アハハ。
すっごく近くから聞こえるみたい☆
みたいではなく、実際そうだった。