誠-巡る時、幕末の鐘-
「レ、レオン様。お楽しみの所悪いんですが、それ以上遊ばれては宝の行方が……」
「あぁ。そうだね。忘れてたよ」
忘れてた??
じゃあ何をしに来たの??
……………ねぇ。
たぶん考えてること一緒だと思う。
奏はふと頭をよぎった考えを口にした。
「レオン様、もしかして……最初からこれを目当てに来られました??」
「うん。九割がたね??」
にっこりと微笑みながらのたまわったレオンの背後には闇が広がっている。
当たり前だ。
時刻は夜。
だが、それ以上に闇が深くなっている気がする。
「でも、確かに無くなると困るからね」
レオンは困った(フリ)顔をして男に向き直った。