誠-巡る時、幕末の鐘-
「へぇ。……いい度胸してるね」
「ひっ」
浮かべていた笑顔を消し、レオンは真顔で低い声を出した。
今まで笑顔を絶やさなかっただけに余計に恐怖心をかきたてられる。
……男に対して酷いことをしていて笑顔を絶やしていないというのもなんだが。
「君は分不相応なものを望んだ挙句、誰かに渡したと。……君、何様のつもり??」
「ふっ、ふぅふぃふぁふぇん(す、すいません)」
元老院の第五課長、史上最恐の男、レオン様はのたまわった。
「すみませんですんだら僕達元老院は必要ないの。分かる??」
完全に我が道をいってらっしゃる。
後ろどころか周りすら見ようとしない。
「奏、止めろよ」
見兼ねた藤堂が奏に言った。