誠-巡る時、幕末の鐘-
「鷹、おい鷹!!」
「なんだよ。まったく。お前に関わるとろくな目にあわねぇ」
鷹は邸の塀に体をもたれかけて立っていた。
顔は心底嫌そうにしている。
「鷹、ここ調べて。狐の匂いがする」
「狐だぁっ??……うげっ。本当かよ」
どうやら鷹にも分かったようだ。
ただ単に力を隠せないのか、それとも……故意に隠していないのか。
どちらにしろ人に害をもたらすようなら対処しなければならない。
「………狐か。賢いだろうな。いやだなぁ〜。知らないフリしたら」
「間違いなく誰かが乗り込んでくるだろうな」
「だよねぇ??」
何故か分からないが元老院の課長達は、壬生の屯所もみんなもお気に入りのようだ。
暇を見つけては入り浸っている。
少しは遠慮して欲しいものだ。