誠-巡る時、幕末の鐘-
「澪ちゃんはいい子にしてる??」
「あぁ。今は沖田とかくれんぼしてるぜ??」
「かくれんぼか。……沖田さんって子供と遊ぶの好きだよね」
「お前だって栄太とよく遊んでんだろ??」
「いや、私はほら。栄太限定だし。澪ちゃん除くと」
「ま、人間嫌いのお前にしたらいい進歩だな」
「うるさい」
奏は鷹のお腹に肘鉄をくらわせた。
ドゴッという音と、グハッという声が聞こえた気がした。
だが気にしない気にしない。
「お前……覚えてろ」
「頑張って、忘れる前に。一日で忘れるから」
「って無理だろ!!」
鷹は年季の入った早さでツッコミを入れた。
さすが。
手の動きにキレがあった。
だてにツッコミ役をやらされているわけではない。
俺、本当に何を血迷った??
奏達に初めてあった頃に戻れたら、自分の頬を張り倒して目を覚まさせたい。
鷹の切実な願いは悲壮さを伴っていた。