誠-巡る時、幕末の鐘-



―――屯所




「ただいま帰りま…」




ガシッ!!!




「奏!!一人でどこ行ってたのさ!!」


「お、落ち着いて珠樹。ち、近いよ」




奏が挨拶を言い終わる前に珠樹が抱きついてきた。


正確には飛びかかってきた。


今、奏のすぐ目の前には珠樹の顔がある。




「だからどこに行ってたの!?爺のとこから帰ってきたら奏いないし!!」


「あはは」




爺は今、雷焔の里の復興の現場指揮をとっている。


この頃屯所にいないのもそのためだ。




「どうだった??里の様子は」


「話をそらさない!!」




珠樹は答えを聞くまで諦めるつもりはないようだ。


さっきより強く抱きしめた。



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