誠-巡る時、幕末の鐘-



「あ、あの。…これは?」




満足感に浸っていると、近くにいた隊士が一枚の紙を恐る恐る差し出してきた。




「ん? …くっ!!」




奏は土方をキッと睨んだ。




「…な、何だよ?」




いきなり睨まれた土方は、面食らっていた。




「これ!! あんたにも読めるから読んで!!」


「は? …これは…すまん」




(すまんで済んだら奉行所はいらん!!!

そして今頃、全世界が平和になっとるわ!!)




「土方さんが…謝った…」


「あ、明日は嵐だ…」


「おい!! 今言った奴出てきやがれ!!」




隊士達は口を手で覆った。



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