誠-巡る時、幕末の鐘-



「土方さん……助かった」




奏は安堵のため息を深くついた。




「土方さん、空気読んで下さいよ」


「今、取り込み中なんだから邪魔しないで」


「な〜にが空気読めだの取り込み中だの言ってやがる。奏嫌がってんじゃねぇか。だろ??」




土方の言葉に奏はウンウンと首を縦に振った。


それを見て、土方は満足げに二人を見た。




「……分かりましたよ。今日のところは」


「奏に嫌われたら、もともこもないからね」


「じゃあまた明日ね」


「土方さん、奏に手出さないで下さいね??」


「出すか!!」




二人はどこか満足げに立ち去っていった。


やっと奏を意識させられたので、当然といったら当然だろう。



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