誠-巡る時、幕末の鐘-
土方はその隊士の元へいこうとした。
(逃がすかぁっ!)
「待て。逃げる気か? 鬼の副長さんよぉ」
(男なら観念しやがれ! そして、責任取りやがれ!)
二人を不思議に思った斎藤が紙を見た。
「……院則違反十人分。始末書をすみやかに提出すること」
「お前らと試合した分と浪士共の分だよ!」
(最悪だー! 絶対レオン様だ!
……これ、届かなかったことにしてしまえばいいんじゃね?)
奏は刀に手を無意識にのばしていた。
伸ばしてどうするかはみなさんの想像にお任せしましょう。
「奏! も、もう遅いし、部屋に行こう!」
響がそれを宥める。