誠-巡る時、幕末の鐘-



「では私は社へ戻る。……いいか??決して誤るな」




祭神は次の瞬間にはふっと澪ちゃんから抜け、澪ちゃんは前屈みに倒れそうになった。


側にいた斎藤がさっと肩を掴み、それを防いだ。




「お疲れ様です」




ナルが澪ちゃんの顔にかかった髪を退けてやりながら労った。




「貴船の祭神が言っていた言葉。あの意味は何だ??」




千早は再び難しい顔をし始めた。




「…屯所に幹部がほとんどいなくなるのはまずい。近藤さん達は残ってくれるか??」


「今度も必ず連れて帰ってきてくれるな??」


「あぁ、任せてくれ」


「分かった」




奏を奪還に行くのは梅雨の時期に風戸の里に行った時の者達に決まった。




「彼方達が来たら後から追いかけるから先に行け」


「よし、おめぇら!!行くぞ!!」


『おう!!(はい)』




土方、沖田、斎藤、永倉、原田、藤堂、そして珠樹は奏のいる貴船へ駆けていった。



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