誠-巡る時、幕末の鐘-



最初、相手は数で勝っていたものの、土方達の凄まじい奮闘で次々と倒れていった。


さすが剣客集団と言われるだけある。


ミエが元老院にと勧誘したくなるはずだ。




「まったくキリがねぇ」


「あれ??土方さん、もうおしまいですか??まだまだいますよ??」


「分かってる!!」




なかなか終わらない斬り合いがその後もしばらく続いた。




「人間がよくまぁ動く動く。ちょっと誤算だったかねぇ??」


「お前、仲間が斬られてるってのによく平気だな」


「仲間ねぇ。まぁ、その男よりは確かに仲間だねぇ。でも弱いものには興味がないのさね」




命がけで戦っている仲間にこの言葉。


仲間を何だと思っているんだろうか。


たぶん使い捨ての道具くらいにしか思ってないだろう。


まさしく冷酷な男だ。


時雨という狐は。



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