誠-巡る時、幕末の鐘-



時雨は彼方と鈴相手に防戦にまわっていた。


鬼の中でも力の強い二人を相手にするには力が及んでいない。




「そろそろ止めにするか??」


「後から来て主導権握らないでくれない??鈴は下がっててよ」




彼方と鈴は刀を構えなおした。


それを横目で見て、奏はなおも狐達の相手をしている土方達のもとへ向かった。




「土方さん達、お疲れ様です。もうこの場はじきに治まります。彼女が狐達を退かせてくれるらしいんで」


「なに??」




土方が狐を斬り伏せながら奏の方を振り返った。




「よかった。次から次へと顕れるからどうしようかと思ったよ」


「刀の切れ味も悪くなった」




沖田と斎藤は背中合わせに狐達と対峙していた。


永倉や原田、藤堂の姿も少し離れてある。


三人も若干息が切れだしていた。



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