誠-巡る時、幕末の鐘-
「終わった……」
「あぁ。……屯所に帰ろうぜ」
「響が飯作って待ってるぜ??澪も千早もな」
「局長達もだ」
みんな疲労困憊と、地面に座りこんだ。
ここまで走ってきて、その後の斬り合いだ。
よくここまで動いた、と自分で自分を誉めていた。
そして、妖相手でも十分戦えたという満足感がみんなを満たしていた。
「ナル、刀と一緒に私の着物置いてなかった??」
「あぁ、ありましたよ。奏が捕らえられていた部屋の左隣の部屋に」
「分かった。行ってくる。先に屯所に戻ってて構いませんから。……助けにきてくれてありがとう」
みんなにそう言い残して、奏は再び屋敷の中に入っていった。
珍しく素直に感謝の言葉を添えて。
みんなが絶望の淵に立たされるまで、後、数刻。
これで終わりではもちろんなかった。