誠-巡る時、幕末の鐘-
「いやぁ!!」
「…………澪ちゃん」
ミエも困惑している。
まさかここまで懐くとは思わなかったんだろう。
澪ちゃんも…………奏も。
「澪ちゃん??奏も帰るんだよ??」
「いや〜ぁ!!うぇぇぇぇん!!」
とうとう大粒の涙を流し始めた。
これ以上は無駄だと悟り、ミエは折れることにした。
「分かった。そんなに言うんなら、しばらくいてもいいわ??鷹、澪ちゃんについてあげて??」
「あぁ、分かった」
だが、澪ちゃんは泣き止まない。
両方の目は赤く泣き腫らしていた。
「澪ちゃん、泣き止んで??」
「うわぁぁぁぁぁん!!」
埒があかない。
「ミエ様、用意ができました」
「そう」
奏はミエの横に静かに腰を下ろした。
泣いている澪ちゃんを見て、ミエの方を見た。