誠-巡る時、幕末の鐘-



「かーなーでー!!みてみてー!!」




澪ちゃんがこちらに駆け寄ってきた。


門番にペコリと深くお辞儀することは忘れない。


いかつい顔の門番二人もついつい笑顔になった。




「雪兎ですか。上手に作れましたね」


「うん!!」




澪ちゃんの手には、ちょこんと可愛らしい雪兎が乗せられていた。


澪ちゃんの手がしもやけにならないように、雪兎は縁側においた。




「これでねこもつくるの!!おうか!!」


「猫は難しいと思うよ??」




子供達を家に返してきたらしい沖田も、屯所へ戻ってきた。


どうやら澪ちゃんも遊びに連れ出したようだ。




「がんばる!!かなでもいっしょにつくろ!!」


「分かりました。でも今日はもう日が傾いてきたからおしまいです」


「はーい!!」




澪ちゃんは斎藤に手を引かれ、手洗いうがいをしに行った。




………一君、子煩悩な親になりそ。




斎藤の世話焼きには奏もすごく感謝している。



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