誠-巡る時、幕末の鐘-
―――屯所
大分夜も深まり、月ももう少しで頂点だ。
今日は一段と星が綺麗に見えた。
「澪ちゃん、もうお休みなさい??疲れたでしょう??」
「まだねむくないの」
「だめですよ。……さぁ、お休みなさい。明日の朝まで。ぐっすりと」
奏が澪ちゃんの両目に片手を横にかざした。
それがずらされた時、もう澪ちゃんの意識は途絶えていた。
「力があるとやはり便利ね。響、後をお願いしてもいい??」
「はい。あの、奏も……」
響は奏にも休んで欲しかったが、奏は首を左右に振った。
「私はまだやらなきゃいけないことがあるから。じゃあ、頼んだよ」
奏はレオンの鏡と、桜花の血のついた布を持って部屋を出た。
そのまま大広間へ向かった。
バタバタして夕食もとれていなかったので、みんなは遅い夕食をとっていた。