誠-巡る時、幕末の鐘-
「レオン様の所有物には今回本当に助けられてばかりだ」
「……元はと言えば、彼が鬼切の管理を怠っていたからでしょ??」
「そうとも言うけど、終わったことだよ」
奏はレオンを庇う発言をした。
それが珠樹は気に入らないらしい。
明らかに気分を害したと表情が訴えている。
「なら、今回のこと……」
「だがしかし!!今回のことは終わったことで済ませるつもりはない」
奏は鷹を一瞥した。
「何か言いかけたな??何だ??」
「……いや。何でもない」
力を戻した以上、鷹に奏に対抗できる力は持ち合わせていなかった。
「さて、では………粛正といきましょうか」
奏は打ち掛けをひらめかせ、広間を出た。
「あ、おい!!」
「待てよ!!奏!!」
土方達が慌てて追いかけるも、奏の姿はもうそこにはない。
そこには見慣れた風景があるだった。