誠-巡る時、幕末の鐘-
隠れ鬼はもうおしまい
―――朝、大広間
「さて今日は…響、父親探しに行くか」
「はい!! じゃあ急いで片付けてきます!!」
奏はみんなの食事の片付けをしていた響に言った。
(よっぽど行きたかったんだな)
「土方さん、今日外出します」
「それ、思いっきり事後承諾だろ」
「あ、分かりました?」
「思いっきり俺の前でそれ言ってただろっ!!」
そう、奏の朝食の席は土方の前だったのだ。
当然会話は筒抜けだ。
(あ〜あ、また怒ってる。
眉間のシワがい〜っぽん、に〜ほん、さ〜んほんっと)
奏は土方の怒りの原因が自分だとは全く思うつもりがないらしい。