誠-巡る時、幕末の鐘-
立つ鳥、後を濁さず
―――屯所
「ただいま、響」
「お帰りなさい。………きゃっ!!」
奏は響に抱きついた。
ぎゅっと離れない奏に響は思わず声を出した。
「記憶戻ったよ??」
「えっ!!?…本当に??本当の本当にですか??」
「あぁ、本当の本当にだ」
「……良かったぁ」
眉を下げ、今にも泣き出しそうだ。
今度は響から奏をぎゅっと抱きしめた。
「ただいま〜」
玄関の方から藤堂の、疲れ果てた声が聞こえてきた。
奏はみんなよりも一歩先んじて帰ってきていた。
一緒に戻ってきていた沖田と珠樹は、話があるらしい。
二人で壬生寺へ入っていった。
仲がいい程喧嘩するって本当だよなぁ。
珠樹には仲良くして欲しいし。
私的にはレオン様より珠樹と仲良くして欲しい……。
それが今の沖田への願いだ。