誠-巡る時、幕末の鐘-
「皆様、奏様達のことありがとうございます」
「いやいや。我々の方こそ、奏君達が来てくれて助かっている方で」
近藤が頭をがしがしとかきながら答えた。
それからしばらく雑談をし始めた。
「たかむら、おうかはもうきた??」
「あぁ、無事にな。あれは賢い猫だ。“もったいない”」
「そっかー。よかったぁ」
澪ちゃんは本当に嬉しそうに顔を綻ばせた。
………いまだに牛頭の腕の中だが。
合わない。
合わなさすぎる。
まるで美女………いや可憐な少女と野獣二匹。
「冥官殿………そろそろ」
「あぁ、そうだな。気はすんだか??」
「はい。ありがとうございました」
近藤達や爺から奏達や愛娘のことをたくさん聞けたので、本当に満足げにしている。