誠-巡る時、幕末の鐘-



「珠樹様、そろそろ参りましょう」


「奏は僕が連れていくよ。僕がね」




わざと僕のところを強めていった珠樹。


沖田は鋭い視線を浴せた。



「君、次あった時、覚えてなよ??」


「さぁ??忘れてるかもね」


「おい、おめぇら、やめねぇか!!」


「そうだぞ、総司」




沖田は近藤に言われて、ようやく渋々ながらも引いた。




「では、また」


「またがあったらね」


「みなさん、お元気で!!」




鬼一族達はふっと闇夜に乗じ、姿を消した。




「さて、俺も澪と千早を連れて帰るとするか」


「澪ちゃんは??」


「もう寝てる」




土方達は屯所に足を向けた。







「元気でな!!」




寝ている澪ちゃんを抱いた千早を抱き上げ、鷹が翼を広げ、空へ飛んだ。


あっという間に見えなくなった。



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